新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
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なぜ長期化するコロナ禍で地図が活躍するのか | 新型コロナ対応支援

こんにちは、マップボックス・ジャパンです。

年末からの新型コロナウイルス感染の拡大と、二度目の緊急事態宣言は、罹患された方やこの状況に対応すべくご尽力されている方々、副次的に生活や環境を変えざるを得なくなった方々など、さらに多くの人への影響が強まり、広がっています。(2021年2月3日執筆時点)

マップボックス・ジャパンでは2021年1月25日より、新型コロナウイルスに関連した情報提供を目的にMapboxをご活用いただく場合、利用料金を最大3ヵ月間無料とする特別支援を開始しました。一度は2020年5月末に終了した本特別支援ですが、再度ご提供することとなりました。

前回の特別支援では、地図開発プラットフォームや位置情報に関するデータを利用した、非常事態に対処するためのサービスがいくつも生まれました。そして現在、パンデミックが始まってから約一年が経とうとしている中、私たちが向き合うべきは非常事態ではなく、新常態(ニューノーマル)です。そんな状況の中、地図や位置情報データを活用してできることとは何でしょうか。

本記事では、前回の特別支援を通して生まれた取り組み、そしてニューノーマルにおける地図や位置情報データの可能性についてお伝えしていきたいと思います。


これまでの取り組み

2020年5月末に終了した前回の特別支援では、感染者の情報や統計データを視覚化するためのマップや、非常事態に対応するためのサービスなど、Mapboxの地図を使った多くの取り組みが公開されました。


データビジュアライゼーション
国や地域別の感染状況やその変化を視覚化したマップは、おそらく見たことがある方も多いのではないでしょうか。Mapboxの本国アメリカにおいてThe New York Timesが公開したMap of coronavirus cases in the U.S.では、COVID-19発症件数や死亡者数、今後のCOVID-19感染状況の予測など様々な情報をグローバルマップ上でインタラクティブに表現しています。Mapboxがもつ、鮮やかなデザインや繊細なデザイン表現が可能であるという特徴を活かし、シリアスなニュースなどに対してもイメージに合わせた表現を実現しています。

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▲ The New York Timesによる「Map of coronavirus cases in the U.S.」。米国における新型コロナウイルスの最新マップ

また、ここ日本においても、日本経済新聞が新型コロナウイルス感染 世界マップを公開しており、国別の感染者数や死者数をインタラクティブかつ、鮮やかでわかりやすく表現しています。
その他にも、SNS上のメッセージの内容から誤った情報の拡散リスクや人々の感情を分析し、地図上に表現したCovid19 Infodemics Observatoryや、アメリカにおける病床のキャパシティを可視化したCOVID Care Mapなどがあります。
ウイルスという目には見えない存在は、直感的には理解しづらく、ときに生活者に不安をもたらしますが、関連するデータを地図上にビジュアル化して表現することにより、私たちが置かれている状況を理解し、対応することを助けました。

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▲ CoMuNe Labによる「Covid19 Infodemics Observatory」。ニュースの信頼性や人々の感情の分析マップ


また、感染状況の視覚化以外にも、地域コミュニティ内で助け合うためのサービスや、ステイホームの時間に楽しさをもたらすサービスなど、非常事態に対応するためのクリエイティブなサービスがいくつも生まれました。


コミュニティのためのサービス
品薄となっている生活必需品の在庫状況をマップ上に表示するOurStreets Supplies Mapや、犬の散歩や買い物、薬の購入などの助けを必要としている人と、手が空いている近くのボランティアをつなげる地図プラットフォームIHELPYOUは、必要なとき以外の外出の自粛を余儀なくされた状況の中で、地域コミュニティ内につながりをもたらし、助け合うことを可能にしました。

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OurStreetsによる「OurStreets Supplies Map」。生活必需品の在庫状況マップ


ステイホームを楽しくするサービス
Zenlyが公開したStay At Home Challengeは、コロナ予防を促進する事を目的に自分がどれだけ家で過ごしているかを友人と競うことができるサービスです。
また、Snap Chatで毎年開催されているイースターエッグハントは、位置情報を用いて自分の住んでいる街を実際に動き回り、イースターエッグを獲得するイベントですが、2020年はグローバルマップ上に散らばる卵を集めるHunt from Homeへと急遽変更し開催されました。
これらの実例は、家で過ごさなければならないというネガティブな状況に臨機応変に対応することで、ステイホーム期間に楽しみをもたらしました。

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▲ Snap Chatで開催された「Hunt from Home」。グローバルマップ上に散らばる卵を集めるオンラインイベント


非常事態への対応 - 理解とつながり

このように非常事態のなかで、未知の状況への理解や、ソーシャルディスタンスが前提の環境下で人と人のつながりをつくることをサポートする、いくつものクリエイティブな取り組みが生まれました。いずれも、地図や位置情報データの可能性を活かしていただいた結果です。
そして、これらの取り組みを通して私たちは、地図開発プラットフォームを提供するだけでなく、所有するデータやデータビジュアライゼーションに関するベストプラクティスを提供して参りました。例えば、感染拡大の可視化をユニバーサルなものにするための、色盲の方でも識別できるカラーリングなどです。

また、地図プラットフォームが人と人を結びつけるための、優れた手段であるということに改めて気づかされた機会でもありました。様々データを場所と紐づけることのできる地図プラットフォームは、人々のあいだに共通の認識を作り出し、それをもとにやり取りすることを可能にするものでもあるのです。

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▲ 色覚多様性を考慮したMapbox Studioのカラーパレット


非常事態から新常態(ニューノーマル)へ

2021年2月現在も、世界的にみて新型コロナウイルスの感染拡大は収まる気配を見せません。また、もし感染拡大が収束したとしても、新型コロナによってもたらされた社会や生活における変化が消えることはないかもしれません。来月や来年、数年後はどのような状況になっているのか、もはや誰にもわからない状況の中で、私たちは自らのライフスタイルを変え、対応をしていかなければならないのです。

そのために、地図や位置情報データをつかってどのようなことができるでしょうか?また、そのような状況における地図や位置情報データの強みとは何でしょうか?

その答えは、大きな変化の真っ只中に置かれている私たちにはまだわかりませんが、以下の二つの事例は、感染症と向き合いながら新しい生活様式を作っていくための、そして感染拡大防止に努めながら事業を継続していくためのヒントとなるかもしれません。


移動データを活用した顧客の活動レベル分析

多くの店舗をもつ小売や飲食チェーンは現在、営業活動による感染拡大のリスクと、顧客の増減に左右される経営的なリスクの間で板挟みになっています。多くの顧客を店舗に呼び、売り上げを伸ばそうとすることは、感染リスクを高める恐れがあります。しかし、顧客が少なすぎたり、予期せぬ顧客の増減が増えたりすることは、経営に大きなダメージを与えます。そこで、多くの小売業や飲食店は顧客数の増減を予測し、店舗営業をするか否か、もしくはどの程度営業コストをかけるかを調整しようとしています。

この問題に対する従来型のアプローチは、入念に市場分析リサーチの実施、または分析レポートを購入し、年に1~4回くらいの頻度で戦略を変えることでしたが、刻一刻と顧客の行動が変化する状況では、レポートが発行される頃には、すでにインサイトが古くなっていることも多いでしょう。

より良いアプローチとしては、移動データを利用することが挙げられます。例えば、米国テネシー州にある郊外型ショッピングセンターのグリーンヒルズモールでは、Mapboxが提供するMapbox Movementのデータを利用して、潜在顧客の増減を予測しています。Mapbox Movementでは、毎日更新される潜在顧客の移動データから、店舗周辺や周辺地域における活動レベルを分析することで、より適したコンテキストにおけるデータから、より確度の高い分析結果を得ることができます。また、場合によっては店舗の撤退、移転などの意思決定の可能性も探ることができます。

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▲ 1年間の5000店舗以上の小売店における活動レベル指数の変化を比較


混雑状況予測マップ

パンデミックの影響によりライフスタイルに起きた大きな変化の一つは、ソーシャルディスタンスです。特に、人口密度世界トップクラスの日本においても例外ではなく、人との身体的距離や、空間における密集度に敏感になるという、生活者の思考に変化が起こりました。

そのような状況下において、混雑状況を予測・可視化したマップは生活者が密集状態になるリスクを避けるために役立ちます。広範囲かつ精度の高いマップを作成するためには、大量のセンシングデータを活用することが考えられます。TripAdvisorが作ったCrowdfreeでは、大量かつ匿名の活動データや高精度のPOI(Point of Interest)データを用いてソーシャルディスタンス指数を作成することで、混雑状況予測をマップ上に描画しています。大量のデータセットから分析し、かつ継続的に表示を更新しているためかなり多くのデータ処理が発生しますが、Crowdfreeで使用されているMapbox Tiling Service(MTS)では、分散処理と並列処理を使用しているため、標準的なセットアップよりもはるかに迅速にデータを処理することができます。

Crowdfreeはまだβ版ですが、例えばこのような地図サービスをレストラン検索やナビゲーションサービスと組み合わせることで、ソーシャルディスタンスを維持した体験を提供できるかもしれません。

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▲ TripAdvisorによる「Crowdfree」。ソーシャルディスタンス指数マップ


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本記事では、特別支援を通して生まれた取り組み、そしてニューノーマルにおける地図と位置情報データの可能性についてお伝えしてきました。マップボックス・ジャパンでは2021年3月31日まで、新型コロナウイルスに関連したMapboxの利用を対象に、特別支援へのお申し込みを受け付けております。新型コロナ関連の地図を使った情報提供をお考えの方はぜひお申し込みください!

【新型コロナウイルス特別支援キャンペーン】

▶︎対象
新型コロナウイルスに関連した情報提供目的のお客様

▶︎提供内容
Mapsの各種API、SDKを3ヶ月間無料利用
※一部無償対象外のサービスがあります。
※サポートオプションは無償範囲のみ提供となります。

▶︎申込期間
2021年1月25日~3月31日 *終了しました

▶︎申込方法
キャンペーンページのお申込みフォームに必要事項をご入力ください。追って担当者からご連絡致します。


また、本記事でご紹介できなかった、その他の支援事例は、以下のリンクからお読みいただけます。ぜひ合わせてお読みください。

*本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています。
*本記事で使用している画像は、Mapbox Inc. Blogからの引用です。


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